楽器の持ち方
アコーディオン三種の神器。
「鏡、椅子、メトロノーム」だそうである。(cobaさん談)
メトロノームは正確なテンポをキープするためのものだが、鏡、椅子は正しい姿勢を維持するため。
基本的にアコーディオンは手元を見ないで演奏する楽器なので、鍵盤やボタンと体の位置関係が変わらないように、椅子の高さや姿勢にはシビアなのである。
アコーディオンを習い始めると、まずはそこをキッチリ指導される。
まあ120ベースの鍵盤アコだと、楽器に重量と大きさがあるので、膝の上に載せて構えることである程度姿勢はキマッて安定するのですが。
では軽くて小さいダイアトニックは、どのように構えるのがベストなのか?
実は一番苦しんだのが、この問題だった。
買う前はボタンの配列のことばっかり気にしていたが、この件の方がぜんぜんタイヘン!
楽器が動かないようにストラップを短くして体に固定すると、右手のボタン部が近すぎて弾きにくい。
かといって、長くすると楽器が動いてしまって力加減が安定しない。
Tex-Mexは2つのボタンを同じ力加減で同時に押すという奏法が多いのだけど、楽器がホールドできないとこれが難しい。
無理な位置で弾いていると、右手首が変に捻じれた形になってすごく手首が痛くなる。
腱鞘炎になりそう。
どーすればいい!?
答えを求めていろんな動画を見てみたけれど、結局のところ、ことTex-Mexに関しては、正解はないっぽい。
ただ、だいたいお腹のあたり、女性ならオッパイの下あたりが一応、定位置か。
楽器は極力固定はするけれど、動いたらその都度微調整って感じみたい。
こと「Tex-Mexに関しては」と前置きする必要があるのは、国際コンクールのダイアトニック部門なんかだと、脚を組んで膝でしっかりホールドするスタイルが主流なので。
これは昨年のトロフィーモンダイアル(別名:アコーディオンワールドカップ)の映像ですが、このスタイルが代表的なもの。
右手ボタン部の固定っぷりを見てほしい。
カラダに楽器が引っ付いてるみたい。
まあ、こうでないと「音楽的に高度な演奏」ってのはできないんでしょう。
これは2列のダイアトニックですが、なぜかイタリアの奏者が多いんだよなー。
でもTex-Mexになると、こんな人もいたりするので。
ミンゴ・サルディヴァーはものすごくストラップをユルユルにして、楽器を低い位置に持つ。
このハズシ感が粋でかっこよい。
Tex-Mexのいろいろな動画を見ていて感じるが「楽器をカラダから離してナンボ」というか、「離せば離すほどカッコイイ」というか、「カラダから離すことで見せ場を作る」っていうか、そういうとこはあるかも。
テハーノの暴れん坊、アルバート・ザモラは楽器を頭の上に載せたり、蛇腹を垂直に開いたり、ほとんど楽器を振り回して見せるようなことをいろいろやるけれど、演奏に戻る時はびしっと楽器を定位置に戻している。
つまりは、どんなに動こうと、定位置に戻せればいいのだなー。
現在のところ、自分にとってその定位置がいまひとつわからないので、まだまだこの問題は進行中。
あ、私はTex-Mexについてだけしか調べてないけど、アイリッシュなんかになるとまた事情が違うのかもしれないね。