Играй, баян!
Bayanmixのセルゲイ・ヴォイテンコの情報を追いかけている中で発見した番組。
「Играй」は英語で言えば「Play」「баян!」はバヤンのことなので、「バヤンを弾いて!」みたいな意味でしょうか。
ロシアのインターネットテレビ「OnlineTV」で毎週水曜日に放送されているバヤンを主体にした音楽番組。
現地時間21:00からの生放送なのだが、日本では時差のせいで深夜2:00から。
終わりの時間は決まっておらず盛り上がると延びるので、日本時間だと終了が朝4時頃になってしまうこともあり、日本で見ている私はヒヤヒヤ。
「OnlineTV」サイト
ロシアのネットTVだなんて、何か裏があるのでは、と最初はビクビクしながら見ていたのだが、とくに何もない。単なる無料のネットテレビ。他にもいろんな番組をやっているが、どうも同じスタジオを工夫して使いまわしているように見受けられる。
この番組のスタジオにあるのは、人数分の椅子と番組中にメール受信するためのタブレットPCのみ。(たぶんiPad。アップルのマークの上にonlineTVのロゴマークのシールが貼ってあるのだが、半分以上はがれてて見え見え。)
セットは特になく、背景としてプロジェクターで背後の壁に映像が投影されている。
というようにスタジオは非常に簡素なのだけど視聴者もスカイプ参加だし、ある意味、ITをフル活用した番組作りと言えよう。
番組のメインホストはヴァレリー・セミン。
セルゲイ・ヴォイテンコはサブという位置づけらしく、ときどきお休みの日や遅刻の日もある。
二人でバヤンを抱え、ゲストを迎えてただただ歌い、喋り、弾きまくる1時間~1時間半。CMも休憩も無く出ずっぱり。そこに電話やスカイプで視聴者が参加。視聴者がバヤン、またはアコーディオンを持っていることも多く、スカイプを介して即席のセッションになることも。電話口で歌いだす視聴者には、スタジオの出演者が伴奏を付けたり一緒に歌ったり。
視聴者もなかなかツワモノぞろいで、4番まである歌なら4番まで全部フルコーラス歌ったりするのだが、スタジオもそれに付き合うからすごい。
せまくて質素なスタジオをものともせず、盛り上がることこの上ない。
ネットの回線が不安定で、視聴者の映像や音声がブチブチ切れても気にしない。
まー、なんというか、なんて歌好き、お祭り好きな民族なのか、ロシア人!
って、毎週感心させられる。
ロシア語、一言もわからないのに、楽しくてつい毎週見ちゃう。
私は出演者たちと時間を共有したくて、ついついリアルタイムで見てしまうんだけれど、放送の次の日にすぐに録画アーカイブがアップされるので、実はいつでも見られます。
「Играй, баян!」の過去のアーカイブ一覧ページ
http://www.onlinetv.ru/project/38/
私がいままで観てきた中で好きな回をご紹介。
本編動画は直接ここに貼り付けられないのだけど、1分くらいのハイライトがYoutubeに毎週UPされているのでそれを参考に。
本編動画へのリンクは予告動画の上に貼るので、よろしければぜひ見てね!
何は無くとも音楽と歌!というロシア人気質をびしばし感じます。
落ち込んでいる人にこそ、見てほしい!
まずはもちろん、Bayanmixの片割れ、ドミトリーがゲストだったこの回!
前半はフレデリック・リップスというクラシックバヤンの重鎮がゲストだからなのか、冒頭は2台のバヤンによるチャイコフスキーの「4羽の白鳥の踊り」から始まるが、こんなに男らしい白鳥見たことない・・・。コサックダンスが始まるかと思うくらい。
フレデリック・リップスのビデオ映像もそれはそれで見ごたえあるが、ドミトリーが出てくるのは開始後30分くらいから。
ドミトリーの逞しさと笑顔の可愛さのギャップにホレボレ。
Bayanmixの二人に加え、これまたスーパーバヤン奏者、ヴァレリーもいるので、私的にはものすごい伝説的な回。
で、ドミトリーが相手だと、セルゲイがちょっと「イジるモード」になってるのが、言葉はわからねど伝わってくる。やっぱ、弟みたいな感じなんだろーね。
3人とも楽器がすごくハデなので、そこも見どころ。
最後にちらっとセルゲイの息子さんも出てくる。輪郭や口元がそっくりで、とてもカワイイ。似るもんだねー。
サマラ出身の少年デュオ「Гармоника」がゲストの日。
実は、よくスタジオに電話をかけてきて、スタジオとスカイプセッションしたり、セルゲイの主催する「Viva!Bayan」にも出演したこともある二人である。
若手の奏者が出てくると、ヴァレリーもセルゲイも心底嬉しそう。
そして、なぜかスタジオに御土産を持ってきちゃう「Гармоника」の二人の素朴さも愛らしい。
演奏もなかなかだし、右の少年の声がまた、ソフトでちょっと女性的でいい歌声。
「コムソモールの思い出」という回。
テーマはソ連時代の思い出話・・・らしいのだが、ゲストがあまりにも普段着すぎて、ものすごい地味な絵ヅラ。その辺を歩いていたオジサンたちをスタジオに連れてきちゃった感。別に一般人ではなく、それぞれにコメディアンだったりアーチストだったりするんですけどね。
全員よくしゃべるしよく歌うし、雰囲気は誰かの家に集まって酔っぱらって歌いまくってる男衆ってな感じだが、恐ろしいことに一滴もお酒は入っていない。
そして、電話もたくさんかかってきて、電話口で歌う人続出。
アコーディオンを弾く人もいて、すこぶる音声の悪い電話を通しての、力ずく「カチューシャ」セッションがスゴかった。(開始後、39分あたり。)いろいろとハチャメチャで面白い回。
そうそう、この番組はゲストが増えると椅子がバラバラになるのも可笑しくて。
手近な椅子をとりあえず寄せ集めたかのような。
ゲストがキャスター付きの事務椅子に座ってるってのも日本ではありえないだろうし、ゲスト用の飲み物が木製のスツールの上に無造作に置いてあって、なおかつそれが水!ってのも日本ではないな、きっと・・・。
でも、「それがどうした!」ってな感じで盛り上がる、ロシアン魂には脱帽なのだ。
てゆーか、気にもしてないと思う、そんなこと。
この人たちには勝てない気がする・・・・。
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